と言ったら言いすぎですが、

簡単に言うと、


死滅した細胞は自ら「僕を掃除してここから排除してください」
という信号を「お掃除細胞」に情報伝達し、
受信した「お掃除細胞」は適切に処理します、
というお話しです。


生物の身体は良くできているという話ですね。



脳の死滅した細胞は掃除して、
新しい回路を形成するための効果的なリハビリやトレーニングが
そろえば、問題解決に役立つということですね。


課題は、
「どうやってミクログリアを活性化する物質(UDP)を
 適切量送り込むか?もしくは、産生させるか?」
ということと、
「掃除が終わった後の新しい回路をスムーズに作る方法は?」
などの点にあります。


UDPの過剰でどんなことが起こりうるか?
も調べなければならないところですが、
可能性のあることはドンドン調べていってほしいですね。



もちろん、これだけでアルツハイマーが治る!
というものではありません。

治療システムの一部として(重要でないという意味ではない)
重要な研究です。

スゴイぞ!ニッポン!!

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「脳の掃除係」活性化の物質発見、病気の治療に期待
(読売新聞 - 04月05日 12:51)

 病気やけがで傷ついたり死んだりした神経細胞を食べて除去する「脳の掃除係」と呼ばれる細胞を活性化する物質を、井上和秀・九州大教授と小泉修一・山梨大教授らの研究チームが発見し、4日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。

 アルツハイマーなど脳の病気の治療に役立つと期待される。

 神経細胞は、修復不能なほど傷ついたまま放置すると、周囲にある健康な細胞にまで悪影響を及ぼす恐れがある。このためミクログリアという掃除係の細胞は、傷ついた神経細胞を見つけては、食べて除去。壊れた神経回路網が再構築されやすい環境作りに貢献している。

 研究チームは、ラットの脳の神経細胞の一部を死滅させ、72時間後に調べた。その結果、死滅した細胞から生体物質UDPが流出し、これがミクログリアの表面にあるたんぱく質を刺激して、死滅細胞を除去する機能を活性化していることが確認された。