「1歳で腎不全」の根本原因は?
今日の記事は、当院の診療を受診された飼い主さんから、「同じような病気でお悩みの飼い主さん、難病と診断された飼い主さんのお役に立ててください。」というお気持ちをいただきましたので、許可を頂いた上で、みなさんにご紹介させて頂きます。
【1歳で腎不全と診断されて…】
当院の診療では、
(1)体内汚染状況を把握すること
が重要と考えております。
そこで、空港の金属探知器の様に、体内にどんな病原体、重金属、化学物質があるか?しかも、どこにあるか?を推定します。
汚染状況が把握できたら、
(2)体内デトックスをし、
(3)室内消毒をし、
それでも排除ができない場合は、身体の血液・リンパ・気の流れを正常化する必要がある(循環障害があるから、有効成分が必要な部位に届かないと考える)ので、
(4)身体の流れを調整する(神経、ホルモン、サイトカインなどの生理活性物質)、
という流れで治療をしています。
例えばこれからご紹介するケースは、まだ1歳にもかかわらず、腎不全と言われた猫です。
もともとは、結石症と下痢が主な症状でした。
かかりつけの先生から「腎不全です」と宣告されたときに、飼い主さんも「まだ1歳なのに、これから一生、薬と療法食で生活させなければならないのか…」と、気が重かったそうです。
そこで、当院の電話相談を受診され、診療所にもお越し頂きました。
まず、一番最初に身体を探ると、こんな感じでした。
アカが「ウイルス」
アオが「細胞内寄生体」
ミドリが「炎症性物質」
の存在が「推定」できました。
ストラバイトの主たる原因は、当院の診療経験によりますと、ほとんど尿路系の炎症が根本原因です。尿のpHは、どのタイプの尿結晶・結石ができるかに影響する程度で、炎症を抑えれば、ほとんどpHが何であろうと関係なくなります。
逆に、尿路系に炎症があると、酸性だろうが、アルカリ性だろうが、結局尿結晶ができるということを、多くの飼い主さんが経験していると思います。
で、今回のケースで探ってみますと、 尿路系の炎症は、脾臓で増殖した病原体が、原因ではないかと推定できました。
そこでまずは、病原体の除去と、アレルギー反応の沈静化に必要な処置をいたしました。
特に、この「細胞内寄生体」は、空気感染するタイプだったので、室内消毒も行って頂きました。
この様に、世間では難しいと言われている「病気」でも、根本原因を探ると意外と原因はシンプルで、対処法も、体内汚染除去と、室内消毒を組み合わせることで、根本原因に対処することが可能です。
これで、通常は1〜3ヶ月で問題が解決することが「多い」のですが、解決できない場合はだいたい
★ 新たな体内汚染が重要課題となってきた
ということが考えられます。
そして、3ヶ月後…
まだ結晶があり、血液検査も芳しくないとのことで再診でいらっしゃいました。
こんどは、
アカが「カビ」
アオが「ウイルス」
ミドリが「ウイルス」
の存在が推定できました。
前回課題となった「細胞内寄生体」はほとんど問題なくなったと推定しました。
カビは前回は無かったので、新たな対策をする必要があります。
また、写真をごらんになって頂くとわかりますが、鼻から肺に入って全身に回って、右の腎臓で増殖している可能性が示唆されました。
カビとウイルスが右の腎臓に存在することが疑われ、かつアレルギー反応も強く疑われる(IgEの共鳴が高い)ことから、引き続きこの病原体を排除する必要があると考えられます。
と、この話をしましたら、飼い主さんが「そのカビ、思い当たります。冷蔵庫の下がぬれていて、冷蔵庫をどかしたら、そこにカビが生えていました。そして、そのそばに、キャットフードを保存していたんですよね…」とか…。
まずは、もう一度室内の除カビを徹底していただくこととなりました。
これらのことを、写真に描くと、上記の様になります。
原因(汚染物質)がわかれば、何を使ってデトックスしたらいいかは推定できますので、それを使って対処することで、治りにくい(と言われている)疾患にも対応させて頂いております。
飼い主さんが「まだ1歳なのに『腎不全(原因不明の腎臓病)』と言われ、落ち込んでおりましたが、この3ヶ月で元気になったので、それだけでもうれしいです。」とおっしゃってくださいました。
『原因不明』とは、「担当者が打つ手を尽くした」という意味でしかなく、原因がないというわけではありません。
今までとは異なるアプローチで探れば、解決につながるアプローチが見つかるかもしれない。そう信じて、取り組んでおります。
西洋医学も、東洋医学も、同じ気持ち(治す手伝いをしたい!)で一生懸命取り組めば、お互いに協力できると信じています。
もちろん、どちらにしても「検証」が大事なんですけどね。
どちらが上とか、下とか、先とか、後とかって、無いと僕は思っています。
目の前の課題に対して、できることを一生懸命取り組むだけです。
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※ちなみに、写真の内容はあくまでも生体共鳴に基づく推定記録です。本当にやろうとしたら、各臓器・組織をすりつぶして、検査機器にかける必要が
あります。でも、そんなことは実際にできないので、「検証」しながら「推定」を活用しております。念のため(笑)
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飼い主さんから「もし、希望を見いだせない方がいらっしゃったら、ぜひ、お役に立ちたい」というお気持ちを頂きましたので、ご紹介させて頂きました。
まだまだ進行途中ですが、この飼い主さんのお気持ちを伝えたく、ご紹介させて頂きました。
あきらめるのはいつだってあきらめられます。すこしでも希望があるならば、そこに賭けてみる、という選択肢もあるのです。

10:45 午後 須崎動物病院_診療 | Permalink
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