【心臓病】心臓以外に強烈な原因のあるケース
先日電話相談をした子は
8歳、マルチーズ、オス
この子の課題は、
・心臓病
・皮膚トラブル
・てんかん
でした。
飼い主さんからのコメントを紹介致します。
【問題】
・体に湿疹がでてきてかゆがる。
・特に指の間をかゆがり、いつもなめたり、噛んだりしている。
・目ヤニも出やすく乾燥肌
・外耳炎も数ヶ月ごとになる
・吐きやすい。
・2007年10月発作を起こし、心臓弁膜症と診断される
・2007年11月にはてんかんの発作を起こす。
【これまでの経緯】
2,3歳頃から前脚の指の間をいつもなめていたが、だんだんひどくなり、毛の色黄色くなり始め、指の間が赤くなり、きれたりする時もあり、薬で治
療していたがここ2年くらい前から特にまだひどくなり、その都度病院に行っていた。昨年10月発作を起こし、心臓弁膜症と診断される。11月にはてんかん
の発作を起こす。
【これまでの食事内容】
市販のドッグフードから、昨年5月先生の本と出会ってから手作り食と病院からアレルギーのもとを除いたドッグフードを与える。その後、心臓病用のドッグフード。
【飼い主さんが望むこと】
四六時中体をかゆがり、なめているので、少しでも楽にしてあげたいので、この子にあった治療を知りたい。
飼い主さんとしては、食事の見直しで症状が改善できないかと考えていらっしゃいました。ところが、身体を探ってみると、食事の見直しでは解決しきれない、こんなことがわかりました…。
■全体状況
・鼻から病原体を吸い(室内に原因病原体がいる←排除可能!)
・脾臓で増え
・膵臓、胆嚢に広がり
・膵液を十二指腸に注ぐ膵管、胆汁を注ぐ胆管の吻合部の炎症がきつく
・膵液が胆嚢の方に逆流し、肝臓を刺激していると考えられる
→血液検査で肝臓の数値が高かったことがあるはず
→飼い主さんに伺うと「あった」とのこと
■心臓病について
膵臓の病原体感染による迷走神経興奮による心臓発作様症状の疑いが強いと診ました。
つまり、心臓そのものに問題があるというより、他に原因が考えられるということです。
ですから、心臓のケアをしても、改善にはつながりにくいと診ました。
そこで、病原体対策に取り組んで頂くことになりました。
当院では「原因不明の心臓病」と診断されて当院を受診した子の中に、実はこのケースの様に「心臓以外の所に原因がある?」と思われるケースが少なくありません。
「だから何をやっても変化がなかったのか!」
という結果になることも…。
この様なケースで心臓病用のフードを食べさせても、問題解決になるかは定かではありません。
根本原因を探ることで、症状からのアプローチでは見つからなかった解決法が見つかることもあります。
この子は「心臓病」と診断されておりましたが、心臓そのものの問題というよりは、他の原因で心臓がうまく機能できない状態の可能性があったのです。
現在この子は体内の病原体を排除しているところです。
もちろん、体調を考慮しながらですが…。
飼い主さんから「心臓病と診断されて、お困りの飼い主さんにお役に立てれば」との許可を頂きましたので、掲載させて頂きました。
この子が改善することをみなさんも祈っていてください。
そして、このケースが一人でも多くの方に「希望」をもてるきっかけになれればうれしいです。もちろん、あくまでも「須崎動物病院のこのケースでは」という話ではありますが…。
※リンク等はフリーですので、あちこちで紹介して頂いて結構です。そして一人でも多くの悩める飼い主さんの目にとまればと思います。
結果があるからには原因は絶対にあるはずだ!
そう信じて診療してます。
原因不明の難病だって(今回のケースは違いますが)
「戦う前から負けること考える奴がいるかぁ!! byアントニオ猪木」
そういう気持ちでやりますし、飼い主さんにも強制的に取り組んで頂いております。
目の前のケースに一つ一つ真剣に取り組む日々です。
01:42 午後 須崎動物病院_診療 | Permalink
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こんにちは
私の手づくり食の先生(←勝手に言ってる私)である須崎先生のブログに、
一人でも多くの方に読んで欲しいと書いてあったので、少しご紹介したいと思います。
「【心臓病】心臓以外に強烈な原因のあるケース」
上記をクリックすると内容が見れます。... 続きを読む
受信: 2008/02/22 11:01:20