4/19は食育の日で飼育の日
まさにペット食育の日!
スゴイ日ですね。
以前書いたことがあるかもしれませんが、私がペットの食育を推進しているのは、ペットのためだけではなく、飼い主さんのためでもあります。
私が学ばせていただいた食事療法の世界はストイックな部分が強く、一般の方には敷居が高いし、本当に困っている方にとってすら続けるのが難しく、 せっかく今まで積み重ねられてきたすばらしい人類の英知が必要な方に伝わりにくい、という印象がありました。
私が往診専門だった頃、ある皮膚病の犬がいました。その子の状態にあった食事や、その他の生活環境の見直しをしましたところ、確か半年くらいで普 通の犬になったと手紙が届きました。
その中に、
「うちの犬が良くなったこと以上にうれしかったことがありました。」
と書いてあるのです。
そのご家庭には引き篭もりの中学2年生の女の子がいらしたのだそうですが、その子がアトピー性皮膚炎で、肌から黄色い液体が浸み出て、皮膚も黒く 色素沈着していた状態だったそうです。
それこそお母さんが「良いといわれること」は全て試されたそうです。お嬢さんも、何とかしたいと思ったからこそ、親子そろって一生懸命やっていた のですが、ある医師の「配慮に欠けた一言」でお嬢さんは突然やる気と自信を無くし、引き篭もりになったのだそうです。
その一言とは…
「アトピーは遺伝性の病気だから、結婚しても子供は産まない方が良いよ。」
その日以来、お嬢さんの表情から笑顔が消え、自暴自棄になり、治療も止め、自室に籠もってしまったそうです。
しかし、その子が、愛犬の皮膚の状態が良くなるのをみて、
「私、もう一回頑張る」
とおっしゃったそうです。
お母さん曰く、
「数年ぶりに娘の笑顔をみることがで
きました。」
とのことでした。
人間の食事療法ではこじ開けられなかったドアを、愛犬が開けてくれたのかもしれません。
動物と子供には人を和ませる不思議な力があります。
そして、
"What you are, what you eat."
「あなたが食べたものがあなた自身。」
という言葉があるように、ペットの食生活を見直すことで、体調に影響を与えることは間違いありません。
しかし、それだけではなく、
「ペットの食事を作るようになってから自炊するように
なりました。」
という女性からのメッセージをいただいたり、
「料理の手際が良くなりました」
「料理をすることが楽しくなりました」
などの声をいただき、ペットの食事が飼い主さんの生活にも影響することを経験させていただきました。
世の中には万能の単一解は存在しません。
特に生物の世界はなおさらです。
個別解があるだけで
す。
ですから、
「●●でなければならない!」
とか、
「●●は絶対にキケンだ!」
という主張は、一見わかりやすいようですが、あまり現状を反映しておりませんし、体質や体内状況を勘案して、個別対応の動物医療を展開している立
場からすると、その柔軟性の無さに違和感を感じます。
私がペット食育協会を通じて伝えたいことの一つに、
「ペットフードでも、手作り食でも、なんでも食べ
られる身体作り」
があります。
飼い主さんが、不運にも適切でない情報をつかまされ、本来必要の無かったところで悩み、立ち止まらなくて済む様に、頑張りたいと思います。
今日をきっかけに、あなたの愛犬・愛猫・愛フェレットの食生活をあらためて考えてみるのはいかがでしょうか?
10:40 午後 ペット食育協会(APNA) | Permalink