2006年11月 9日 (木)

キシリトールは犬に危険!?その3

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まず、野菜や果物にどれくらいの量のキシリトールが含まれているかをネット上で調べてみますと、「日本フィンランド虫歯予防研究会」のサイトに、資料がありましたので、このデータを元に検討してみます。

上記サイトによれば、

■■■■■■■■■■■■■■■■
野菜・果物     キシリトール含有量
           (mg/100g 乾燥重量)
────────────────
イエロープラム         935
イチゴ              362
カリフラワー          300
ラズベリー           268
チコリー             258
ナス               180
レタス              131
ホウレンソウ          107
■■■■■■■■■■■■■■■■

だそうです。
こうなると、「150mgのキシリトール量で低血糖になった」例があるわけですから、この数字だけを何となく見てしまったら、ビックリしてしまいますよね。


ところが、その判断はまだちょっと早い!んですね。
上記の量は果物の乾燥重量100g中の量ですから、
通常の量に換算する必要があります。

それぞれの水分含有量を調べますと
■■■■■■■■■■■■■■■■
野菜・果物     水分含有量(%)
────────────────
イエロープラム      88.6
イチゴ           90.0
カリフラワー        90.8
ラズベリー         88.2
チコリー          94.7
ナス             93.2
レタス           95.9
ホウレンソウ       92.4
■■■■■■■■■■■■■■■■



そして、換算した結果、

■■■■■■■■■■■■■■■■
野菜・果物     キシリトール含有量
            (mg/100g 湿重量)
────────────────
イエロープラム     120
イチゴ           40
カリフラワー       30
ラズベリー        36
チコリー          14
ナス            13
レタス            6
ホウレンソウ        9
■■■■■■■■■■■■■■■■




では、いよいよ、
これらをどの程度の量摂取したら
この論文で問題視している量になるのかを計算してみると…


以下の量は、体重1kg当たりの量ですから、
「チワワが下記量を食べたら…」
もしくは
「私が食べたとしたら…」と想像しながらお読み下さい。



ちなみに、あなたの体重の5%量は、
どのくらいの量かというと…

■■■■■■■■■■■■■■■■
あなたの体重(kg)    5%量(kg)
────────────────
  30            1.5
  40            2.0
  50            2.5
  60            3.0
  70            3.5
  80            4.0
  90            4.5
 100            5.0
■■■■■■■■■■■■■■■■


いかがでしょうか?


同じものを上記の量食べられますか?


イチゴを1.5キロも食べられますか?


それって、健康に良さそうですか?



その印象を大切にしながら、
次の表をご覧下さい。


基準として、ガイドラインの100mgを
摂取出来る量はどのくらいか?を考えてみましょう。

もちろん、食材に含まれている量と
オヤツに含まれるキシリトール量を単純比較はできないのですが…。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■
野菜・果物    100mgのキシリトールを
           含む野菜・果物の量(g)
──────────────────
イエロープラム     83(体重の8.3%)
イチゴ          249(体重の約25%)
カリフラワー      329(体重の約1/3)
ラズベリー       279(体重の約1/3)
チコリー         693(体重の約2/3)
ナス           761(体重の2/3以上)
レタス        1,786(体重の約1.8倍)
ホウレンソウ    1,136(体重の約1.2倍)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■


この結果をご覧になって、あなたはこの量を食べられそうでしょうか?

この計算結果を見て、どう判断されるかは、あなた次第です。



先日、某テレビ番組で、大食いで有名なギャル曽根ちゃんが、9kgドンブリに挑戦していらっしゃいましたが、7kg食べたところで、「口飽きしてきた」ということでギブアップなさっていました。

ところが、そのギブアップ直後に「さっきから気になっていた」ということでラーメンを食べていましたから、確かにもう少し食べられるのかもしれませんが、彼女は43kgです。

43kgの女性→7kg(体重の約1/6)食べてギブアップ
1kgのチワワ→イチゴを249g(体重の約1/4)食べる???
1kgのチワワ→レタスを1.786g(体重の1.5倍以上)食べる???

なんか、違う理由で死んでしまいそうです。


結局、野菜や果物の通常摂取量で、
      問題になるほどのキシリトール量を摂取することは難しい!

ということが、須崎の見解です。



ですから、去年まで、毎年参加していた「愛犬と共に行くイチゴ狩りツアー」で今まで何もなかったわけですから、キシリトールの事件を知ったからと言って、「知らなかったとはいえ、ゴメンね」などと犬に謝ったり、今年から行くのを取りやめる必要はないのです。

もしそれで今年から問題になるとしたら、それはキシリトール以外の原因(農薬など)であって、イチゴの問題では無く、それはそれで別の問題だということです。

イチゴに限らず、今まで食べられていたものが、急に「危険な食材」になるとき、それは食材そのものの問題「以外の原因」を疑うことも大切なのではないでしょうか?



以上が、今回のレポート(簡易版)でした。



確かに、キシリトールを犬に摂取させることは問題なのだと思います。

それは、周知しておくべきことと思います。


だからといって、「キシリトールが入っているからイチゴは危険です」「イチゴ狩りツアーに行くのは止めましょう」とはならないんだということを、ぜひ、冷静にご理解下さい。


特に、ペットのお菓子を販売しているところが「念のため」などと言う言葉を添えて販売を控えると、「やっぱりそんなことがあるのか?」などと、勘違いする一般の飼い主さんが増えて来ます。

食に関わる仕事をなさっているならば、不必要に不安を煽ったりせず、大切なお客様に、しっかりと線引きができる「正確な情報提供」をしていただきたいものです。

「犬にキシリトールは有害なのか?」の件で、悩んでいる飼い主さんに、ぜひ、この情報を教えてあげてください






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キシリトールは犬に危険?その2

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すいません、結局仕事が遅くなり、日をまたいでしまいました…。

昨日の続きです。

■論文はどうなっているのか?

 今回の元ネタとなった以下の論文
Acute hepatic failure and coagulopathy associated with xylitol ingestion in eight dogs
Eric K. Dunayer, MS, VMD; Sharon M. Gwaltney-Brant, DVM, PhD, DABVT

(本文をお読みになりたい方は、上記リンクから$10で購入できます!)

には、犬の体重1kg当たり1.4〜2.0gのキシリトールを摂取して肝障害になり死亡した例が紹介されております。

 他にも、犬の体重1kg当たり4〜16gのキシリトールを摂取した犬のケース7例が紹介されております。そのうちの1例が死亡、3例が安楽死、3例が回復したそうです。

 また、筆者らは、犬の体重1kg当たり0.15g(=150mg)のキシリトール摂取で低血糖になった例を経験しているそうです。

 そして最後に筆者らは、「犬の体重1kg当たり0.10g(=100mg)のキシリトール摂取があった場合(つまり、体重10キロの犬が1グラムのキシリトールを消費した場合)何らかの処置をするべきなのでは?」という表現をしております。


 もちろん、精製したキシリトール150mgと、野菜や果物に含まれているキシリトール合計150mgとでは、同じ作用があるとは限りません。これはとても重要なことですので、しっかりおさえておいてください。

 というのは、野菜や果物には、キシリトールの効果を高める成分や逆に抑制する成分が含まれているかもしれず(私たちが知っている成分もあれば、未知の成分もあるでしょう)、必ずしも同等とは言い切れないのです。

 ただ、そんなことをいいはじめたら、比較もできないので、単純に、
「どれだけの野菜や果物を食べたら、今回の論文で危険だ!と言っている量になるのか?」
を計算してみました。
(繰り返しますが、この量を食べたからといって、キシリトールの肝機能に対する悪影響を「必ず」受けるということを意味するのではありません。単純に計算したらこうなったということです。)

 と書いたところで、ごめんなさい。眠くなってきて、頭が働かなくなってきたので、この続きはまた明日にさせてください。

 ごめんなさい。

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2006年11月 7日 (火)

キシリトールを含んだ果物・野菜を食べると犬は死ぬ?

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 ここ最近、タイトルの様な質問がよく事務所に届きます。

 1件や2件ならまだしも、あまりにも多いので、調べてみましたら…

どうやら事実と噂は内容が異なるようです。


さて、話のスタートは、

===
甘味料キシリトール、犬には危険=米報告
14:04 JST139

 [ニューヨーク 29日 ロイター] シュガーレスの菓子類に広く使用されている人工甘味料キシリトールが、犬の肝臓に障害を起こす可能性があり、場合によっては死に至らせる危険もあると、米国の獣医師らが29日、米獣医学協会(AVMA)のジャーナルで警告した。

 この報告を受け、砂糖の代わりとして使用されるキシリトールと肝機能不全など犬の病気との関連を疑う声が強まりそうだ。

 報告書を共同執筆したグワルトニー・ブラント氏によれば、犬はキシリトールを少量でも摂取すると大量のインシュリンを放出し、その結果血糖値が下がり、命に危険が生じるという。

 同氏は「体重10キロの犬が1グラムのキシリトールを消費した場合でも治療が必要になる」としている。ただ、キシリトールと肝臓への影響を結論付けるにはさらなる研究が必要だとも話した。


という記事が発端の様です。

このニュースを各メディアが取り上げ、
多くの方の目にとまるようになりました。


そして、それをご覧になった方が、
「これは大変!みんなに知らせなきゃ!」
ということでブログ記事などになり、

「キシリトールは犬には危険だ!」

という話になり、


「では、手作り食の食材でキシリトールを含む食材はあるのか?」

という疑問を持たれた方がいらっしゃって、
「調べてみたらあった!これは大丈夫なのだろうか…???」

ということになったようです。


まぁ、イチゴの食べ過ぎで命を落としたという話は聞いたことがないので、
「大丈夫でしょう。」
と須崎は思うのですが、
あまりに心配な飼い主さんが多いようですので、きっちり調査しました!


ただ、今日はこれから一日タイトなスケジュールですので、
明日改めて書かせて頂きますが、まず結論を一言!

どうぞご安心下さい!

この根拠は、明日にでも!

心配している方が沢山いらっしゃるようですので、
どうぞみなさんにも教えてあげてください。

キシリトールは犬に危険?その2へ






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2006年8月26日 (土)

クジャククイズ!

クジャクの表はこう!

では、クジャクを後ろから見ると、
どんな感じでしょうか?

チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ






た~いむ・あ~っぷ!!

正解は、こちらっ!

以上、クジャククイズでした!



10:00 午前 チャレンジ!動物クイズ! | | トラックバック (0)

2006年8月24日 (木)

カンガルークイズ

冗談を書きます。クイズも出します。
みなさん、お読み下さい。

みなさ~ん、私は今、オーストラリアに来ています!

ご覧下さい、この抜けるような青空!!

私は今、カンガルーの生態調査にやって参りました!

さて、いきなりですが、問題です。

カンガルーは休憩する時、
どんな姿勢で休憩するでしょうか…???

チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ
チッ






た~いむ・あ~っぷ!!

正解は、こちらっ!

日本の多摩動物公園でもこんな感じ!

ちなみに眠る時はこんな姿になることも…

以上、カンガルークイズでした!



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